臨床をしながら、知識のアウトプットについて思ったこと。

医学知識はとにかく膨大で、日進月歩する分野で、日々必要とされる知識量は増加していっている。

今、ブログを書いているこの瞬間にも新しい研究成果が世界のどこかで誕生しているのだ。

常に長生きを求める人類にとっては、うれしいことだけれど、医療者にとってはなかなか煩わしい。

せっかく覚えた最新知識が陳腐なものになったりする。

だからといって、やみくもに知識を詰め込めばいいというものでもない。

常に使える知識は正確で無ければならない。

たとえば、原因菌がわかるまでは、市中肺炎に使う抗菌薬は、マクロライド系にセフェム系をかぶせると覚えても、具体的に用量はどれぐらいいけばいいのか、患者に合わせて決めなければならない。

薬の用法・用量を覚えてなければ、処方できず、全く知らないのと同じになる。

カリウム血症の患者が目の前にいても、具体的に投与するカリウム量を決め、投与速度を指示できなければ、何の意味もなさない。

あらゆる知識はアウトプットできてはじめて、意味をなす気がする。

経験の長い医者にとっては当たり前のことかもしれないが、研修医の僕にとっては、実に新鮮な気づきであった。